杯が満ちるまで on web

鈴木真弓です。
6月11日（金）夜、浜松市内のコミュニティレストラン『てまえみそ』をお借りし、旭屋酒店さんがパイロット版の試写会を開いてくださいました。旭屋酒店の店主小林さんは毎月１回このお店で地酒さろん「地ねた屋」を開催中で、これまで「開運」の土井社長や「國香」の松尾社長などを講師にお招きしていたそうです。



前日10日の中日新聞に『吟醸王国しずおか』のことを書かせていただき、この日の試写情報も掲載したので、旭屋酒店さんに何件か問合せがあったようで、「定員一杯でお断りしました」と申し訳なさそうな小林さん。かわりに27日の掛川試写会をおススメしてくださったとのこと。新聞のような大きなメディアにバーンと載っても、その情報を生きたニュースにするのは人なんですね。小林さんの何気ない気配りがありがたかったです・・・。

パイロット版試写の後は、てまえみそに出張そば打ちに来る『そば工房野澤屋』さんが、日本酒に合うとっておきメニューを披露し、旭屋酒店さんが映像に登場する志太の蔵元４醸の酒を用意してくれました。


サプライズだったのは、参加者のお一人・かたやま酒店さんが、2008ＢＹ（酒造年度）の一期だけ初亀の杜氏を務めた西原光志さん（現在は志太泉杜氏）作の「初亀」（＊左端のグリーンボトル）を持ってきてくださったこと！　09ＢＹから初亀杜氏となった辻村和則さんの「初亀」（オレンジラベル）と比べて呑むという贅沢を味わうことができました。かたやま酒店さんのブログに興味深いレポートが紹介されていますので、ぜひご覧ください。

パイロット版には、08年夏～秋、西原さんが初亀の杜氏となって蔵入りする姿を紹介しています。映画本編には使えない幻の映像となってしまいましたが、これも現場がつねに変化するドキュメンタリー制作の難しさであり面白さでもあるんですね。
…2008年の撮影時、能登杜氏組合夏期研修会でいの一番に手を上げて、講師の波瀬正吉さん（「開運」杜氏＝09年逝去）に質問をしていた西原さん（当時の様子はこちら）、杜氏1年目の初蔵入りの日の緊張した表情や、上槽（搾り）の頃「体重が10キロ落ちました」とポロッとつぶやいた彼の横顔が、今も目に焼き付いています。
…いつの日か笑ってこの映像を一緒に観られる日が来るといいなぁ…西原さんの「初亀」を呑みながらしみじみ思いました。

地ねた屋参加者18名のみなさまからは、計19,000円のご寄付をいただきました。本当にありがとうございました