吟醸伝によせて

鈴木真弓です。

震災から1週間経ちましたが、被災地や避難場所の状況をテレビで見るにつけ、
せっかく命が助かった方が、これ以上、生命の危険にさらされないよう、
また一刻も早く、暮らしに希望が見いだせるよう、祈るばかりです。
静岡市でも23日からツインメッセで救援物資の受け付けが始まるようなので、
少しでもお役に立てば、と思っています。

さて、吟醸王国HPのWEB酒場吟醸伝に、2週にわたって平野斗紀子さんのブラジル見聞記をご紹介しました。
平野さんから2週分の原稿をいただいたのは震災発生前でしたので、このタイミングになってしまって、平野さんにはよけいな気を遣わせてしまいました。

平野さんとは、震災についてのメッセージに差し替えようかと話し合いましたが、最終的には私の判断で、いただいた原稿をそのまま掲載させていただきました。
平野さんから昨夜、こんなメッセージをいただきましたので、ご紹介します。


『平和な原稿を載せてしまい申し訳ない思いでいっぱいですが、震災発生前までは日本全国ごく平和だったというのもまた事実かな…と受け容れます。
 帳消しにしたい気持ちも、私の自己満足に過ぎないし、ね。
 
 一昨日仕事の関係者と雑談をしていて、いい話を聞きました。
 数日前、東名高速が通行止めになったときにちょうど仕事で居合わせたら、大阪消防本部の消防車が隊列を組んで待機していて、やがて山を越えるルートを通って被災地へ向かうため、高速道路を下りていったそうです。
 その後、78歳のお年寄りが4日ぶりに救出されたというニュースで、救出したのが大阪の消防隊だったと知り、「ああ、あの人たちが助けたのかな」と思ったそうです。
 
 津波や地震に慎重で東名も東海道線もすぐに通行止めにしていますが、東名高速は救援隊を優先的に走らせてあげたいですね。警戒警報が出ても、救援隊だけは通すとか。
 いまは、そんな井戸端会議みたいな話しかできませんが・・・』。

 
平野さん、ありがとうございました。

吟醸伝にはさまざまな会員さんに寄稿をお願いしておりますが、
今の世の中の空気では酒の話は書きにくい・・・と思われる方もいらっしゃると思います。
「日本酒」や「地酒」に無理にこだわることなく、
「日本人だからこそ」と思えるメッセージを広くお願い出来ればと思います。

なお、先日ご案内した30日しずおか地酒サロン(松崎晴雄さんの県鑑評会うらばなし)は満席となりました。
しばらくは酒宴を自粛すべきかと逡巡しましたが、県知事賞を受賞した『正雪』『磯自慢』には杜氏さんや蔵人さんの親戚縁者に被災者もいらっしゃるので、ファンの我々だけでもささやかなお祝いと、支援の気持ちを伝えられたら、と思っています。
その意を汲んで、参加申し込みをしてくださったみなさま、本当にありがとうございました。

 



2011年03月19日 Posted bymamichan at 10:13


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