地酒は地域の元気のミナモト!その3

鈴木真弓です。
2009年8月に開催した第35回しずおか地酒サロン『地酒は地域の元気のミナモト!』参加者アンケートの続きです。
県内消費シェア2割以下という静岡酒が、その高い品質に見合う評価を得るため、川下(小売店や消費者)で出来ることはないか考えてみました。



Q.売り手(酒販店・飲食店)ならびに地酒愛好会主催者にとって、静岡の地酒を扱う上で一番苦労することは? またどんな改善策が望ましいと思いますか?




お客さまにも日本酒を大切に扱ってほしい。蔵元さんが丹精込めて造った日本酒ですから、お客様の口に入るまで健康な状態を保ちたいです。当店ではお買い上げの際、特に夏場は日本酒(生酒以外でも)の保存方法への注意をお伝えしています。「干物と同じように管理してください」とお願いするのですが、お客さまの中には面倒くさがる方もいます。そのため、最近ではケーキ屋さんのように商品に保冷剤を付けて新聞紙で巻いて販売しています。(すずき酒店・鈴木詔雄)



私どもでは日本酒と料理を楽しむ会を年に数回行っていますが、冷酒に合う料理、燗酒に合う料理など料理と酒のマッチングが何より必要と感じます。(ぜんすけ・白柳守康)




■「静岡の酒はみんな静岡酵母を使っているから、どれも似たり寄ったりでつまらない。クセがないが個性もない」と批判されることがある。確かに共通点はあるが、よく味わってもらいたい。香も味わいも結構違うし、日本酒のこういう繊細な世界が楽しいと思うのに、大雑把にまとめられてしまって残念である。(篠田酒店・篠田和雄)



 静岡酒の魅力は酵母や米など、静岡の由来する切り口が多いので、「酸がマイルド」「味に丸みを感じる」「香りが強すぎない」等など判りやすく説明しやすい点にあります。
「辛口」「甘口」という言葉を使わなくても説明できるのは酒屋の利点ですが、同時に困ったことでもあります。現実には「辛口の酒」を所望されるお客様が相変わらず多く、選択肢が広すぎるか逆に極端に狭いかのどちらかなので、説明の時間を要するのです。
「辛口」というくくりで静岡酒をまとめられないのは、逆に県内の酒がそれぞれ個性を持ち、微妙に味や香りに違いがある証明であり、とても素晴らしいことですが、それを表現できる術がまだまだ不足していることは否めません。高いレベルで切磋琢磨している静岡酒をさらに広めていくには、表現力の充実と、それにかかわる造り手・売り手・飲み手の価値観の共有が同時に求められていると思います。(かたやま酒店・片山克哉)



お酒一般に言えることですが、酵母や精米歩合、特定名称など一般の人に伝えにくい名称が多い。とくに静岡酵母の説明が難しい。全国鑑評会と静岡県鑑評会の違いもありますし、「美味しい酒」の基準があまりにも多すぎて、消費者は混乱してしまうのではないでしょうか?お酒の知識のない人に熱心に話すと、酒オタクみたいに思われます。
 改善策としては、静岡の酒はとにかく美味しいということを、もっと一般消費者に浸透させるしかないと思います。そのためには料飲店や旅館・ホテルでの地酒の扱いが増えてくれればよいのですが、お酒の美味しさの基準を整理することも一つの方法かもしれません。(地方公務員)



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2010年05月08日 Posted bymamichan at 13:12 │読みもの


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