ワークショップと手育

「地域と仕組みと物×作り」その11:ワークショップと手育
product & project というコンセプトで活動する、家具・プロダクト工房H.W.F主宰の久留です。

こころ木造建築研究所と共催で「ワークスツールを作ろう」というワークショップを開催。
その後、こころ木造建築研究所発行「ココラボ通信」に送った文章です。

「クラフトライフ ワークショップ」と題し、ワークスツールを製作する今回の企画。
完成品では分からない、家具の構造の成り立ちや細部の処理の意味を体験し、
本物を感じて貰おうというコンセプトで計画しました。
丁寧な作りを、知識でなく、体験として感じて貰うこと。

鋸や鑿で木組み部分を作り、接着剤を塗り、クランプという道具で組み立てる。
サンディングペーパーや鉋で仕上げ、オイルを塗り、ペーパーコードを編み、完成。
文章で表現すると大変そうですが、私達が想像していた以上に、
参加の皆さんは物作りが上手く、順調でした。

男性の方は力があって、編みがきつくなる分、編み込みに時間が掛かりましたが。
木組みが緩くなったら、木の板を貼ってきつくしたり、部材の向きを間違え、
組み直したりもあり、物作りを生業とすることの大変さも理解して貰えた気がします。

「クラフト」とは、日常の工芸、つまり身の回りにある素材を用い、普段の生活の中で、
手を用いた基本の技で作る、道具や日用品がベースです。
「クラフト」の基本技術を身に付け、自分の手が色々な物を生み出す力を持つ事を知り、
自分の生活を、自分の感性で手作りしていく。

また、作り手の視点を知ることで、丁寧で誠実な商品の持つ空気を感じ、商品や住宅、
生活を今までと違った目で見て貰えたら、生活の質を高めていくことに繋がるはずです。

私は、これからの時代は、豊富な知識と共に、自分自身の手の持つ技術と経験が
大事になると思っています。
手で考え、手の技能を育てることを「手育(ていく)」と表現し、活動し始めました。
「手は第二の脳」と言われるのですから、手を育てたら、色々な能力もアップしている(笑)。
そして、プロは技能を伝える先達の役目も担うべきと感じています。

参加された皆様、私達もクラフトの仲間が増える機会を得て、楽しい時間を過ごせました。
ありがとうございました。
参加してくださった方達、地域社会全体にクラフトの芽が育つ事を楽しみにしています。




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2010年06月20日 Posted byトメ at 14:06 │つくる人


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